Illustrations by Yone.

Satsuma Future Commons 〜薩摩川内市の未来地図〜

本記事は、Satsuma Future Commons(薩摩フューチャーコモンズ)ビジョンブックの内容を転載(一部再編集)したものです。こちらの記事では「Satsuma Future Commons」の概要やこれまでの取り組みについての紹介をしています。(ビジョンブックデザイン:COLOGUE/株式会社デジタル・アド・サービス)

Satsuma Future Commonsとは

Satsuma Future Commons は薩摩川内市が目指す、次世代まちづくり・サーキュラー都市の実装ハブです。久見崎地区に開設予定のこの拠点は、専門家、市民、域内外の企業や域外から訪れる人が自由に行き来し、 先進的かつ実験的にサーキュラー都市を共創する場所です。

Satsuma Future Commonsの構想案

本取り組みは様々なセクターと連携することを基軸として、育成、研究・開発、投資の循環による産業育成・産業創出の仕組みを構築していきます。研究開発にあたっては、「未来の衣食住」を軸に5つの研究テーマを設定し、九州大学大学院芸術工学研究院との共同研究活動や、スタートアップ企業との循環ビジネスの社会実装を目指します。

産業育成に向けて、研究機関だけでなくノウハウやネットワークを有するシンクタンク、国内外で先駆的なビジネスを展開する専門家・企業も巻き込んでいきます。研究機能に止まらず環境や社会の課題、企業ニーズに対して、関連する参加者で自律的にチームを立ち上げ、一定期間で成果を上げるプロジェクトとして運営も行っていく予定です。

研究機関・地域企業・市民・スタートアップなどが関わり合う拠点へ

また、拠点の完成後は地域の住民・企業のための活動拠点や意見交換の場としても活用していきます。国内外の研究者や起業家、デザイナー、アーティストたちが交流することで様々な活動やビジネスが生まれ、この開かれた「コモンズ(共有地)」から循環経済の流れを薩摩川内市内全体に広げていきます。

Satsuma Future Commons の仕組み

Satsuma Future Commonsの実現に向けて、薩摩川内市と九州大学大学院芸術工学研究院(芸工院)は2020年9月に連携協定を締結、芸工院の附属施設である「SDGsデザインユニット」と連携し、市民参加型の循環型まちづくりに取り組んでいます。今後も、市民、産業、学術、行政、金融などと 立場を超えて連携・コレクティブインパクトを生み出し、持続可能な都市や地域、ビジネス、暮らしの在り方を研究・社会実装していきます。

「未来の衣食住」を軸とした5つの研究テーマ(左)、運営チームについて(右)

サーキュラー都市に向けての取り組み

薩摩川内市では循環型のまちづくりに向けて、既に市民を巻き込んだ取り組みが始まっています。2020年に新たな循環の拠点として誕生した『ECOBASE』(株式会社ecommit)は、廃棄物の販売だけでなく、市民にリユース意識を発信する循環センターとして機能しています。

Credit: Jodan Yamashita

2015年から川内川の河川敷で行われるリバーフロントマルシェは、来場者が2,000人を越える規模となり、市民が地元に誇りと愛着を持つきっかけに。さらに、これ以外にも廃棄物循環を体験する場として、薩摩川内市に廃プラスチックを再利用するものづくりのオープンソースコミュニティ「Precious Plastic」の拠点準備も進めています。

Credit: Jodan Yamashita (左) / Miyuki Toudou(右) | Precious Plastic の体験ワークショップの様子

これまでのワークショップやイベント出展

Satsuma Future Commonsがオープンするまでの期間は、市民の循環型社会に対する意識醸成としてワークショップやイベントを行います。

2020年1月には食を切り口として暮らしの中の循環を意識するための料理教室を開催。参加者が実際に料理をしながら食の地域循環について学びました。

Credit: Jodan Yamashita | 「地域のゆるやかな循環を考える料理教室」の様子

オンラインでは、市民の生活や、資源・産業への理解を深め、サーキュラー都市の実現に向けて声を集めるための参加型プロジェクト「薩摩SDGs みらい調査」を実施。

薩摩SDGs みらい調査

さらに、先述のリバーフロントマルシェにおいて廃プラスチック、プレシャスプラスチックに関するクイズなど環境教育要素を含めた内容で出展し、市民とコミュニケーションを行いました。

リバーフロントマルシェで「廃プラクイズ!」を実施しました。

Satsuma Future Commons(薩摩フューチャーコモンズ)は、鹿児島県薩摩川内(さつませんだい)市を舞台に、先端テクノロジーを活用した「循環経済産業都市・サーキュラー都市」の実現を目指す拠点です。また、Satsuma Future Commons は市民と一緒に創る拠点です。研究者・事業家・市民が共に考え共に創りながら、未来の産業・都市モデルの研究開発と実装を行っていきます。

◉Web: https://kigyo-satsumasendai.jp/sfc/

◉Twitter: https://twitter.com/CommonsFuture

◉YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCOF1QJLZDCrJJ1FzxaBKh5w

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Satsuma Future Commons

Satsuma Future Commons(薩摩フューチャーコモンズ)は、薩摩川内市・九州大学大学院芸術工学研究院が共同で推進する、サーキュラー都市デザインの先駆者が研究・実践を行う国際的でオープンな拠点です。